[レポート]

Live Report vol.3

2010.07.26 Mon

 昨年オープンしたばかりの新ライヴハウスGARDENでイベントのオープニングを飾るのはOGRE YOU ASSHOLE。満員のフロアに鳴る、UKオルタナチックなメロディと、ヴォーカル出戸さんの個性的な声が最高!! 特に前半に演奏した「ヘッドライト」では紫×赤の妖しげな照明と、その中でゆらめくお客さんの手、バンドの雰囲気が絶妙にマッチしていて、えもいわれぬ気持ち悪さ(良い意味でね)がありました。20代の若いバンドとは思えない渋さがかっこいい。めちゃくちゃダンスできて盛り上がる!というわけではないけど、中毒性の高さがスゴいなと感じました。ライヴ終了後外に出てみると、そこかしこにINDIE FANCLUBのリストバンドを付けている人が。街中で参加者とすれ違うと「あ、君も?」みたいな親近感を覚えてしまうフェスマジックも起こったりして。たこ焼きや肉巻きおにぎりを頬張って一息ついている人や、歩き回っているうちに買い物モードになったのか、ショップ袋を下げている人もちらほら。みんな思い思いに都市フェスを楽しんでいるようでした。

 その頃、茶沢通り沿いのBASEMENT BARでは、こちらも若手バンドFar Franceが演奏中。女性ベーシストを迎え、新体制になってから2回目のライヴとのことでしたが、単純にカッコいい!腕を組んで棒立ちになっていたお客さんも思わず身を乗り出してしまうような、とてつもないエネルギーを発していました。新曲「BGM」も、疾走感の中に彼ららしい不思議なフレーズや遊びがあっていい感じ。新生Far Franceのこれからに期待です。

 ライヴハウスが密集している地帯から少し離れたERAでは、太平洋不知火楽団のライヴ。リハーサルで音を出し始めたらまるで吸い寄せられるかのようにお客さんが増え、ガラガラだったフロアがあっという間に埋まったのにびっくり。ライヴ終盤「早くインディーじゃなくなりたいです」というヴォーカル笹口さんのMCから、一部で話題の名曲「たとえば僕が売れたら」。客席からの合唱も自然に発生して、とても美しい光景でした。キラーチューン「Dancing hell」では、ベースは飛んでくるわ、ドラムスの津金さんがダイブしてくるわでカオス状態!フロアとステージの垣根を自ら越えてきた太平洋不知火楽団のライヴは、わけのわからないエネルギーで満ちあふれていました。夕方からは入場規制ラッシュで街中に人が溢れ返る中、南口商店街を抜けてCLUB251でやけのはら+ドリアンのライヴ。フロアにイスを置き、その上に乗ってラップするやけさんのアジテーション力がすばらしい!お客さんがどうすれば盛り上がるのか、ツボを心得たライヴは見ていて気持ちがいいです。ラストはお客さんを3人ステージに上げて、七尾旅人ならぬ"七尾旅子"を擁しての「Rollin' Rollin'」。突然ステージにあげられて恥ずかしそうにしつつ、しっかりと客席を煽っている七尾旅子達と、フロアで盛り上がっているお客さんの笑顔がとても印象的でした。その熱気を残したまま、251の大トリはSCOOBIE DO。ライヴチャンプの異名を持つ彼らは、終始アゲアゲセットで煽る煽る!アンコールでデビュー曲「夕焼けのメロディー」を披露するなど、たっぷり濃密な40分間。お客さんも負けじと蒸し風呂状態のライヴハウス内でステップを踏み、ジャンプし...エクササイズか!とツッコミたくなるほどの踊りっぷりでした。初めてスクービーを見たらしいお客さんが「楽しくない瞬間がなかった!」とハイになってしまう程、イベントの締めに相応しいライヴ。外にはスッキリした表情で路上ビールを楽しんでいるお客さんもいて、イベントの"やりきった感"が心地よかったです。ナイスな日曜の夜を過ごし、月曜日の朝からなんだか良い感じでいけそうです!

文/矢崎ビス子
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