[SIF対談]

第三弾:TUCKER × やけのはら × 古川太一(RIDDIM SAUNTER)

2010.06.23 Wed

ターンテーブルからドラムス、ベース、さらには炎までも(!)奔放に操る唯一無二のステージをみせるエレクトーン奏者=TUCKER。各地の興味深いパーティにはほとんど彼の名前が載っていると言っても過言ではないだろう人気DJ、やけのはら。今や飛ぶ鳥を落とす勢いをみせるRIDDIM SAUNTERのドラマーであり、DJとしても活躍する古川太一。一見つながりがなさそうな、だけどどこか共通したニオイを感じさせる3人が、初めて集ったクロストーク!

構成/宮内 健(ramblin') 撮影/小原泰広

TUCKER × やけのはら × 古川太一(RIDDIM SAUNTER)

"変な人"とか言われるのはいいけど、"変態"って書かれるのはちょっとイヤ(笑)
── 3人はそれぞれ面識は?
やけのはら TUCKERさんとは面識ありますね。
古川 僕、やけのはらさんは名前は存じ上げてたんですけど、ちゃんとご一緒したことはなかったですね。
やけのはら そうですね。たぶんカクバリズムのイベントとか、人がいっぱいいるところではご一緒してそうですけどね。
TUCKER 僕はRIDDIM SAUNTER(以下、RDM)と、ロンドンで一緒にツアーまわったんだよね。
── TUCKERから見た、RDMの印象ってどうでしたか?
TUCKER あんまり偉そうには言えないけど(笑)、やっぱり躍動感っていうのがすごくあって。曲構成も楽器構成とかもすごくきちんとしてるんだけど、すごくユニークでもあって。シンセベースが中心になっているやつとかもあったかと思えば、オーケストラと一緒にやってたり。それでいて、ライヴとか結構めちゃくちゃだったりするから面白いよね。
── バンドでありつつ、だけどバンドっていう形態にこだわってない感じっていうのは、とくに最近のRDMのライヴを観てると思いますね。太一くんほど、あんだけステージの前のほうに出てくるドラマーもいないもんね?(笑)。間奏くらいのところで、ドラム叩かないで前に出てきて煽ったり(笑)。
古川 肝心なときに前に出てっちゃってるみたいな(笑)。ドラムも長く続けてると、どんどん叩けるようになるじゃないですか。普通に叩くことが、ちょっとつまんなくなっちゃったりして、そこで変化を得るために立ってドラムを叩いてみたりして。叩きにくい曲を、なんとか叩いてニヤッとするのが楽しかったり(笑)。
TUCKER そういうちぐはぐな、感情が高まったゆえに音がなくなってる!みたいな状況を何度か観て、それ面白いなぁって思って、相当笑ってたから。ステージは、結構みんな激しいよね。壊してる感がすごくって、一般的にそれがいいのはわからないですけど、やってるテンションが高くなっちゃって、思いがけずこうなっちゃった!っていうのは、観てて美しいものがある。
── やけのはらさんは、TUCKERとの出会いは覚えてますか?
やけのはら TUCKERさんと初めてご一緒したのは、2004年末ぐらいの青山蜂のイベントだったんですけど、その前に僕が初めて観たのは、TUCKERさんが渋谷のタワレコでインストア・ライヴやられてて。
TUCKER あーやった、やった!
やけのはら その時にすでにTUCKERさんのことを知っていたか、まったく知らないで観たかどうかは定かじゃないんですけど、たまたま渋谷にいたんでインストア覗いたら、なんかすごく変な人だなって思って、面白かったのが印象でしたね。たぶん基本軸は今とあんまり変わらないライヴでしたよね。一人でいろいろ楽器やって、エレクトーンに火つけたりもやってたんじゃないですか?
TUCKER やってたねー。うーん、あんま変わってないね、ホント(笑)。
やけのはら めちゃくちゃクレイジーで面白いなって思いました。
TUCKER でもなんかね、"変な人"とか言われるのはいいんですけど"変態"とか、"変態キーボーディスト"って書かれるのはちょっとイヤ(笑)。
やけのはら "変な人"と"変態"との差異はなんなんですか? なんかいっぱい両生類とか飼ってそうな感じとか?(笑)。
TUCKER うーん、なんかシモの話でいえば、スケベだけど変態じゃない、みたいな。変態ってなんかほら、たとえばエレクトーンの木目でアガっちゃうような、そういうのじゃない?(笑)。
一同 (笑)
TUCKER まあ、言われてもその場ではアハハとか笑って応えるけど、家に戻ってから「俺って変態かなー?」って考え込んじゃったり(笑)。
やけのはら でも、変わってるからっていうだけではなくて、純粋に面白かったんですけどね。王道は王道としてあっても、やっぱりその人なりのことをやってる人が好きだっていう志向があって。TUCKERさんを最初に見たときも、すごく上手いのもわかるんだけど、綺麗に聴かせるというよりも、わざわざ危ない橋を渡るような......やっぱりビビッと来ましたね。僕の中では、なんか(サイプレス)上野くんたちとかとも通じるところもあって。あえて不確定要素を入れるライヴをしたがってる感じというか。
TUCKER あー、なるほどね。不確定要素って、それこそRDMのライヴとかでもいっぱいあるけど、なんていうか、不確定要素=お客さんと共有できる要素だと思うんですよ。そういうのがライヴの醍醐味なんじゃないかなと思ってて。ま、それをあえて前もって用意するっていうのもちょっと違うと思うんだけど、そういう不確定さが入り込む余地があったほうがやっぱりライヴとしては面白いし......そうそう、以前、やけのはらくんと地方で一緒になった時、隣の塾から苦情が来たことあったじゃない?
やけのはら ライヴやってた場所の隣に塾があって、そこの人がバットもって乗り込んできて、うるさいっていって音量下げられたんです(笑)。
TUCKER その時、やけのはらくんがすごかったのが、場の空気をちゃんと読んで、MCもちょっと多めでDJして上手にまとめてたんですよね。そういう事態が起きたら起きたでやりようがあるんだなってっていうのを、やけのはらくんを見て思って。僕はなんか、ただただどんどん音量下げられていくばっかで。ライヴって普通、最後に向かって音量も上がっていくものだけど、反比例するかのように音量もだんだん下がってって(笑)。RDMとロンドン行った時も、全然音響がちゃんとしてないライヴハウス普通にあったけど、それはそれでその場で対処したことが、意外と面白かったりするんですよね。それはあんまり考えて出来ることじゃないから。だけどDJはとくに、そういう臨機応変な対応がはっきりフィードバックされるよね。
やけのはら うん、それは楽しいですよ。お客さんによって変わりますしね。
バンドっていう非効率的な作業の 面白さがやっとわかってきた
── やけのはらさんがメンバーとして参加されているyounGSoundsのライヴも、バンドも客席も一緒くたになって蠢いてる感じを観ると、ライヴならではの不確定要素の魔力みたいなものを感じます。
やけのはら younGSoundsは、あんまりメンバー揃って練習出来ないんですよね。毎回誰かが間違って。ライヴ終わってから、なんか「アレンジ変わりましたね?」とか言われたりするけど、「あれ間違っただけです」みたいな(笑)。
TUCKER でもやっぱりね、ライヴはキチッとすべきだなあと思うんだよね。俺は。
やけのはら 今さらTUCKERさんがそういうこと言いますか?(笑)。
TUCKER 違う違う(笑)俺は自分の中ではホントにキチッとやろうとしてるんだけど......もっときちんキチンとしたいんだけどね。
── キチッとやっていても、どこかでエラーが入って来たり?
やけのはら エラーが面白いって言ったらなんか変ですけど、TUCKERさんのライヴを観に来てるお客さんは、たとえば毎回同じ曲をやっても、その都度また変化していくTUCKERさんを楽しんでるような気はしますけどね。
── それこそ、ライヴに足を運ぶ理由というか、その場でしか体験出来ないものを、生で共有すそういう。そういう感覚をyounGSoundsのライヴを観た時も、これはやっぱり現場にいないと、このすごさは感じられないんだろうなって思いました。やけのはらさんは、younGSoundsはどういう経緯で参加されるようになったんですか?
やけのはら less than TVの谷口(順)さんがやってたバンドの、もともと参加していたメンバーが抜けて、そこに僕やイルリメ(現在は脱退)とか僕とかが入ってっていう感じ。僕は昔からless than TVの人たちとかファンだったんで、ぜひやります、と。僕は高校生の時にバンドやってたけど、それ以降はまるまる10年ぐらい、打ち込みのグループとかDJしかやってこなかったんで。大人になってから久しぶりに5人とか6人で音を出してみて、バンドっていう非効率的な作業の面白さをやっとわかってきたというか。やっぱり人と一緒に音を出すのってすごく楽しいじゃないですか。バンドが5人いたとして、それが1ずつ足されるんじゃなく、0.2ずつ集まってひとつの音楽になるっていう。それはDJでは味わえない感覚なんですよね。DJだとお客さんと自分とのコミュニケーションになるけど、バンドだとなんか変な言い方だけど、ステージの上だけで楽しいっていう部分もあって。
TUCKER でも、それをみんなが観に来てるっていうのもあると思う。現場が共有してる、スリリングな関係を観に来てる。
古川 うん、そういうのが面白いんですよね。
やけのはら でも、そう思うとTUCKERさんはソロだから、エネルギーの使い方は、DJとかと近い感じですかね? お客さん対TUCKERさんみたいな。
TUCKER うーん。というよりも、機材と俺みたいな?
やけのはら なんで機材と0.5ずつになってるんすか(笑)。
TUCKER 僕の場合、機材との会話が結構多いよね。ライヴでも一人でいろんな楽器を使って......っていうスタイルでやってると、作曲する時も、どうループさせていくか?とか、ステージでの動きとか、曲として面白いかっでいうのが考えに入ってきちゃう。たとえば(家電の)ドライヤーをどうやって演奏に使おうか?ってあーだこーだ悩んでる時に、うちのカミさんから「普通に良い曲を弾くのがライヴなんじゃないの」って言われて、ちょっとああそうかって。たしかにその通りではあるんだけど、実際そうやってみると、やっぱり地味だった(笑)。結局自分で考えるしかないっていうね......でも、バンドもそういう悩みどころはあるんじゃない?
古川 どうなんですかね。僕らの場合は、普通になってきちゃったらメンバー同士で楽器を交替してみたりしますね。僕ら、高校生の時から一緒にやってメンバーもいるんで、みんなでやってることが普通になりすぎちゃうところもあって。だから、当たり前になるのを阻止しようと、あえて壊していってるのかもしれない。
TUCKER わりとそういう意味では、RDMもかなり変態なことをしてますね(笑)。面白いなって思ったのは、RDMがアルバムのリリース前かなんかに収録してる全曲を、ドラムとベースだけで50秒ぐらいの曲にまとめるって作業をしてるやつが、YouTubeに上がってて(『Days Lead』全曲演奏 Drum & Bass)。だから、普通の音楽じゃないの。5秒とか10秒おきぐらいで、ドラムとベースが全部変わっていくっていう。ジョン・ゾーンがやってた、20秒の中で30ジャンル演奏します、みたいな。たぶんそれを知らないで、同じようなことをやってるんだろうけど、それを観て「うわーっ!なにこれ!」って感激して。
古川 あれは、バトルDJがヒップホップのいいところをつないでいく感覚を、バンドでやろうと思って。
TUCKER そうなんだ! あれ観て、斬新だなあと思って。一個の音楽としてなんかヘンなものになっている。
古川 まじっすか!? 初めて言われました!(笑)。あんまり話題に上がらなかったから、TUCKERさんにそう言ってもらえたのはめちゃくちゃうれしい! これやってる時からすごい面白くて、アイディア思いついた時なんか天才か!? って思ったぐらいなんですけど、YouTubeにアップしてみたら、再生回数が全然少なくて......。
TUCKER (笑)いやいや、俺はこれ観て「ウォーッ!やべぇ!」って。あれでグッときてくんないと困るよね(笑)。
古川 あの映像、最初はドラムだけで、次ドラムとベース、その次がドラムとベースとギター、で、最後に歌が入るバージョン......と、全部で4バージョンがアップされてるんです。
やけのはら うわっ、それめちゃくちゃマニアックですよ(笑)。
TUCKER まさに人力カットアップ! テープ編集するカットアップっていうのは、見たり聴いたりするほうも共有出来るスリルっていうのはないと思うんですよ。でも、俺があれを最初観て思ったのは、これは相当に練習したな。このくだらないことに対して、相当練習したはずだって思うと、それだけでもう笑える。あと(BPMが一緒だったり、決まったグルーヴがあるわけではない)秩序がないことをあえて人力で再現するのって、非日常的ですごくおかしいから、ああいうのを見てると手に汗握る感じはあるよね。
僕はドラムよりも先に、2枚使いでDJすることから音楽がはじまった
古川 僕はドラムよりも先に、2枚使い(でDJすること)から音楽がはじまったんで。ずっとジャグリングとかしてたんですけど、ドラムをやりはじめてから、だんだん演奏する方が楽しくなっていったんです。
── 以前、TUCKERに取材した時に訊いて印象に残ってる言葉なんですけど。もともとTUCKERはDMC(註:ターンテーブリストがスクラッチなどの妙技を競う世界的な大会)のDJバトルとかすごく好きじゃないですか? そうして好きで聴いてきたヒップホップから受けた影響を、同じようなスタイルで返すんじゃなくて、何か別なカタチで示すことが、リスペクトなんだって言ってたのが、すごく印象深くて。
TUCKER そんな偉そうなことを(笑)......でも、実際の話、海外とかに行って、「お前、日本人のくせによくやってるな。俺たちのカルチャーを後押ししてくれてありがとう」みたいなことを言われちゃうとダメかなあって思うんだよね。がんばってくれよ的な感想よりは、「何これ? どうなってんの?」って思ってもらったほうがいい。たとえば、海外の人が来てて食事に連れて行くとして、海外からフランチャイズしてるレストランとかに連れてくよりは、その土地でしか食べられない定食屋とかに連れてってあげるのが人情かなぁと思うんですよね。
── うんうん。
TUCKER 最近、韓国に行く機会が多いけど、やっぱりそこで洗練されたヒップホップを観たいわけではなく、東大門とかソウルの雑踏が目に浮かぶような音楽が聴きたいし、実際、そういう音を作ってる人もいるんですよ。僕はたぶん、そういうドメスティックなものが好きなんですね。
── そう思うと、やけのはらさんが七尾旅人さんと一緒にやってる「Rollin' Rollin'」も、日本人だからこそ感じられる、夜遊びしたあとのちょっとせつない感じとか、その場所に住んでないとわからない感覚みたいなものが、曲の中に落とし込まれてますよね。
TUCKER 僕がやけのはらくんの曲で聴いてショックを受けたのは、「東京の町も空気が悪くなっちゃってさ......」っていうような語りが入る曲があるじゃないですか?
やけのはら 僕が河童に憑依して若者を斬るっていう、日本昔話みたいな曲があったんですよ。それを、なぜかTUCKERさんが異常に気に入ってて(笑)。その曲は、諸事情によってまだ発売されてないですけど。
TUCKER えーっ? あれ発売してくださいよー。そう、あれは聴いて本当にいいなぁって思って。若者に対する嘆きみたいのが曲間に挿入されてるんですけど、やっぱり僕が感動するのって、何これ!? みたいな感覚を味わった時だし、そういうのをみんな楽しみにして音楽聴いてると思うんですよね。僕は別に"対 海外"ってことが強く自分の中であるわけじゃないけど、でもそれは、たとえば"対 やけのはら"にしてもそうだし、"対 RDM"にしても思うことなんだけど、やっぱり「これは何だ?」っていうものを見たいし、実際やけのはらくんにもRDMにも、それぞれにそういった感動を覚えたことがあるから。わかりやすくインターナショナルなことである必要は全然なくて、独特なものを僕は見てきたいし、自分もそうありたいし。
やけのはら でもまあ、自分たちのやれることしか出来ないっすからね。海外を意識しても、やっぱり上手く出来るわけがないんで......性格的な好みかもしれないけど、ゴール地点の違いみたいなものもあるのかもしれないですね。たとえば、すごくジャマイカ人みたいになりたいルーツ・レゲエの人とかって、僕はちょっと苦手みたいなところがあって。この人こういう風になりたいんだとか、こういう音を出したいんだっていうのが見えちゃうものより、もっと自分なりでいいんじゃないかって思うんです。僕自身、もとから好きなものが並行してたくさんあったんで、普通にやってたら自然とばらけていったんですけど。やっぱりガチのテクノとハナタラシみたいなのって融合できないじゃないですか?
TUCKER それにパッと見で、これとこれが融合してるなってわかるものって、あんまり面白くないよね。それよりも出所がわからないものが自然に出てくるものに興味を覚えるわけで。だからRDMの音楽とかも、今になってわかるけど、まさかDMCが要素としてあったんだ!っていうね(笑)。でも、日本ほど、俺たちの音楽はこれだ!って、もともとルーツにある音楽をわかりやすく表現出来ない国ってなかなかないと思うんだよね。たとえば和太鼓は日本の伝統としてあるけど、それがルーツだっていう感覚は、みんなの意識として共有されてない。
── 多くの人が一番慣れ親しんでる歌謡曲そのものが、いろんな音楽が複雑に混ざりあったミクスチャーだっていう事実もありますしね。
TUCKER そうそう。だからそういう感覚を楽しむのが面白いことだと思うし、たとえばアメリカのギャングスタ・ラップにしても、ジャマイカのルーツ・レゲエにしても、もちろん背景とか思想とかルーツを勉強すれば出来るけど、それを知らないで楽しく聴けることの出来る、唯一の国だとも思うんですよ。感情的にならずにいろいろ聴けるっていうのは、日本独自のいいところでもあると思うんですよね──もちろん俺もそれが悪いとこだって思ってた時期もあったんだけど──やけのはらくんのやってることもRDMがやってることも、それが理屈じゃなく日常と結びついて生まれてくるところに、日本人独特の感じがあると思うし、また、それを日本がどうのとか考えないでやってる。ちゃんと知識を必要としなくても、すぐ楽しめる音楽になってるし、そういうのがいいなって思うんですよ。
やけのはら そんなこと言ったらTUCKERさんの芸も、どこかの国の現住民が観ても楽しめそうな気がしますよね(笑)。
TUCKER 逆に言うと言葉がない、ヴォーカルがないから結局そういう風になっちゃうよね。でも、俺はその地域の人しか理解できない言葉のアートは絶対あるべきだと思うし。なんで俺がこういう話をするかっていうと、あまりにも海外の音楽や情報が幅を利かせすぎてる気がして。日本の音楽がアンダーグラウンド・シーンでもサブカルチャー・シーンでももっといっぱい広がって、もっと普通に触れられるようになってもいいのになって思う。
── でも、ここ数年でインディペンデントやってる人たちが、自分たちから発信しやすい環境が整ってきたり、アーティスト同士だったり、リスナー同士だったりで情報を共有して広まっていく機会も増えてきてるような気もしますよね。
TUCKER 韓国のアーティストとMySpaceで繋がって、ここ2年ぐらい韓国に行ったり、向こうから呼んだりしてるけど、そういうのって以前はなかなか出来なかったですからね。
古川 Twitterも大きいですよね。それでライヴに呼ばれたりとかも結構ありますし。いい意味で近い感じがしますね。
やけのはら 僕は事務所に所属するとか一切やってこなかったんで、変わらない感じでやってますけど──人との関係性だったり、ひとつひとつのイベントだったり、今までも地味にやってきたそういうやり方が普通になってきた感じというか。あとまぁ、いわゆる電脳ツールみたいなのは、僕みたいなやり方をしてる身にとっては宣伝しやすい。どこに広告頼んでインタビュー取ってもらったり......みたいなことしなくていいですから、個人的にはやりやすくなりましたね。
TUCKER やっぱり以前に比べたら、確実に面白いものは観られてるていうのが、実感としてきちんとある。それはいい傾向だと思うんだよね。

取材協力:渋谷 echo http://echo-shibuya.com/

TUCKER

TUCKER
90年代からエレクトーン奏者として活動。70年代の古いエレクトーンを奔放に使い倒し生まれる独特の音色とグルーヴを軸に、ターンテーブル、ドラム、ベース、玩具などなどさまざまな楽器をひとりで演奏するエクストリームなライヴ・パフォーマンスで熱狂的な支持を集めている。現在までに2枚のアルバムを発表。活動の場は国内のみならず、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界を股にかけて活躍中。また、JACKIE&THE CEDRICSやMONEY MARKらのライヴ/レコーディングに参加するほか、演劇やアートなどと多彩な分野とのコラボレーションも展開している。
http://tuckerweb.jp/
http://www.myspace.com/tuckerelectone



TUCKER
『ELECTOON WIZARD』
(ユニバーサルシグマ)

やけのはら

やけのはら
2003 年にエレクトロ・ヒップホップユニット、アルファベッツでアルバム『なれのはてな』リリース。その後、イルリメ、サイプレス上野とロベルト吉野、 STRUGGLE FOR PRIDE、BUSHMINDなど、数多くの音源に参加。なかでも七尾旅人×やけのはら名義でリリースされた「Rollin' Rollin'」は09~10年を代表するフロア・アンセムとして多くのリスナー層の耳を捕らえた。DJ としても「RAW LIFE」「ボロフェスタ」「SENSE OF WONDER」などの数々のイベントや日本中の多数のパーティに出演。また、MIXCD も多数制作。現在、今夏リリース予定の初ソロアルバムを鋭意製作中。また、younGSoundsにはサンプラー/ヴォーカルで参加として活動している。
http://yakenohara.blog73.fc2.com/


七尾旅人 × やけのはら
「Rollin' Rollin'」
(P-VINE)


MR. MELODY /
AKENOHARA /
タカラダミチノブ
『CHOUJA-MACHI SATURDAY MORNING』
(TIME PATROL)

古川太一(RIDDIM SAUNTER)

古川太一(RIDDIM SAUNTER)
2002年、高校の同級生を中心にRIDDIM SAUNTERを結成。05年初アルバム『Current』をリリース。70年代ソウル、ヒップホップ、パンク、ブラジル音楽など多彩な音楽性が煌やかに昇華したバンド・サウンドが大きな注目を集める。ステージ上で縦横無尽に繰り広げられるライヴ・パフォーマンスや、ジャケットからグッズなど細部に渡って行き届いたアートワークなど、こだわり抜いた表現スタイルで熱狂的な支持を得ている。最新作はノルウェー録音、ストリングスの導入など新機軸をみせたサード・アルバム『DAYS LEAD』。なお、古川個人としてはレギュラー・パーティの「MIXX BEAUTY」を筆頭にDJとしても活躍。またFRONTIER BACKYARDのサポートなども手がけている。
http://www.riddimsaunter.net/



RIDDIM SAUNTER
『DAYS LEAD』
(Niw!Records)

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